小型ゲンゴロウの楽園 その後

ハイイロゲンゴロウ。首都圏で最も身近な種。ゲンゴロウ
ハイイロゲンゴロウ。首都圏で最も身近な種。

私の地元にあった「小型ゲンゴロウの楽園」。道路の拡張工事でその生息域のほとんどが失われ、普及種であるハイイロを除けば、5年前にコシマゲンゴロウを僅かに確認しただけとなった。今回、久しぶりに足を運んだ。

どんなところであったかは、過去のいくつかの記事もご覧いただきたい。

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どんな感じに変わったのか

まず、農道の左右が2m程拡張され、再舗装されるとともに水田の給排水設備が一新された。これにより、道路脇の休耕田やアシ原にある溜まりや堀が埋め立てられている。

同時に、この付近の中央を流れる河川にかかる橋を刷新、作業時の迂回路・資材置き場として、メインとなる溜まりが埋め立てられた。河川そのものの護岸化も進み、遊歩道が両岸に設けられている。

前述の水田の排水設備も護岸化され、この河川へ流入する。

なお、この河川には大型のコイが多数放流されているようだ。アナカリスがほぼなくなったのも無関係とは思えない。

※以下の画像では、ほぼ同じ場所を示すマーカーを入れておくので参考にされたい。

明らかに薄くなった水生生物相

かつてのポイントを中心に歩いてみる。野鳥や陸生生物には大きな変化はないように見える。

水田に近づくと、数種類のバッタとアマガエルの幼体が水田に飛び込んでいく。

以前と違うのは・・・

  • ゲンゴロウが泳いでいる姿はない。
  • ダルマガエルがいなくなった。(ココはウシガエルもあまりいない)
  • アメリカガリガニもこの日は抜け殻を一つ、生体は1匹も見ていない。
  • ドジョウも一部のエリアで僅かしか見られなかった。
  • ミジンコが大量発生している水田はない。
  • セリ・オモダカ等の水生植物も減った。

水生昆虫で見かけたのは、10匹程度のハイイロゲンゴロウとヒメガムシ(と5mm以下のガムシ類)、ギンヤンマのヤゴ1匹。今は水田しかないので、ガサ入れはしていないが、数か所で注意深く見てもこれらぐらいしか見つけられなかった。

カエルはオタマジャクシを含め、ほぼアマガエルのみのようだ。アメリカザリガニの幼体もいないことから、ゲンゴロウとヒメガムシの幼虫やヤゴはほぼアマガエルのオタマに依存している可能性が高い。

10年前にココの稲作農家とは3名の方と話をしたことがある。マルガタゲンゴロウが主に生息している水田は「鶏糞」系の肥料(主食であるミジンコの発生に効果的)も使用していること、あまり強い農薬は使っていないそうだ。

ヒメタニシやドジョウが繁殖しているエリアは湧水が流入しているそうで、こちらもあまり強い農薬は避けているとのこと。

ある程度の配慮はされていたのだ。世代も変わってしまったのか、昨日見た感じでは、どちらも以前のような水生生物相とは程遠い、というのが率直な感想だった。

野鳥や周辺住民にとっては

道路が拡張され、河川両側に遊歩道が設けられたことで、車両通行量と人の出入りは多くなった。

ぱっと見はまだ多くの自然が残っているようにも見えるので、周辺住民のウォーキングコースにもなっているようだ。道路も広がったことで、すれ違い時の脱輪などもなくなっただろう。

水生生物に目を向けなければ、非常にいい環境、と感じていると思う。

野鳥の繁殖環境としても悪くはない。昨日はキジとオオヨシキリがいい味を出していた。

局所的に生息する水生生物の危うさ

やはり、水生生物のように局所的に生息する生物は、生息域の消滅で絶滅しやすい存在であることを再認識した。

物理的な生息地の消滅、水質等の環境的要因、エサとなる生物の減少等、原因はいくつかあるが、自力で脱出手段を持たない分、陸生生物よりも慎重な配慮がいるだろう。

今少し、地元を回ってみようとは思っているが、小型ゲンゴロウの採集に遠征が必要になるとは・・・。

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