オオクワガタの特徴・生態や飼育・繁殖方法を詳しく解説。

オオクワガタ(佐賀県神崎産 オス:78mm) オオクワガタ
オオクワガタ(佐賀県神崎産 オス:78mm)

国産オオクワガタの特徴や生態、飼育方法や繁殖方法について、飼育記録や参考情報とともにまとめてみた。

オオクワガタの飼育方法や繁殖方法については既に数多く紹介されているが、私なりのオオクワガタの飼育方法や繁殖方法、飼育していくうえで気付いたことなどを盛り込んでいる。

内容は初心者から飼育を始めて数年という方向けで、あくまでもオオクワガタという昆虫を飼育・観察することをサポートすることが主目的。

長年、血統やサイズに拘って国産オオクワガタの飼育・繁殖をされている方には少々、物足りなかったり、方向性が違うこともあるだろう。その辺は割愛してご覧いただければと思う。

オオクワガタは丈夫で長生き。クワガタ飼育・繁殖の入門に最適なのだ。

かつては幻のクワガタといわれていたオオクワガタ。天然個体を見つけるのは簡単ではないけれど、飼育・繁殖されたものがヤフオクやホームセンター等でも販売されていて入手しやすくなった。価格もサイズや産地、血統に拘らなければ3千円前後から70-75mm位のペアを購入できる。

飼育方法や繁殖方法も概ね確立され、様々な飼育用品が開発・販売されている。もともと丈夫なので粗悪な環境や特殊なことがない限り、3年程度は飼育することができる。

子供と一緒に、大人の趣味として、クワガタ飼育を始めてみよう。いままで気にしなかった身近な自然や環境のことを考えるきっかけにもなるだろう。

オオクワガタの概要

オオクワガタ(学名:Dorcus hopei binodulosus)はクワガタムシ科・オオクワガタ属・オオクワガタ亜属に属する、日本最大級のクワガタである。学名にあるように現在では、中国に広く分布するホペイ(学名:Dorcus hopei)の亜種に分類されている。

オスは一対の大きな内歯を有する太い大顎を持ち、この大顎に見合った幅広で質量感のある体躯が人気。体色は黒色。希少な大型の個体は「黒いダイヤ」とも呼ばれ、高値で取引されることもあった。メスは体全体がより光沢がある黒色で上翅に明瞭な点刻列(スジ)を持つことが特徴。形状は他のクワガタのメスと同様であるが、サイズは大柄である。

近年は飼育方法がほぼ確立され、人気もあることから飼育個体数はかなりの数に上るが、自然環境下では、開発や乱獲等により、生息数は減少傾向にあると思われる。

オオクワガタの外観的特徴

大きさ・色

オオクワガタの自然界での大きさは、オス:約40-70mm、メス:約30-48mm。もう少し大きなものや小さなものの採集例はあるようだが、概ねこの範囲だろう。

実際、野外採集で70mm級のオスを得ることはごくまれで、40-50mm程度の個体がほとんど。60mm以上の個体も多くはないものの得られることがあるようだ。メスも40mm以上であれば大型個体といえる。

飼育環境下ではオオクワガタのオスの最大サイズは85mmを超え、80mm台前半も珍しいものではなくなっている。メスも53-55mmあたりのものが増えてきている。

体色は基本的に黒。やや黒褐色の個体も見られる。オスは半光沢、メスは全体的に光沢が強い。小型のオスやメスの鞘翅上面(いわゆる背)には点刻列がある。

オオクワガタ(佐賀県神崎産 メス:45mm)

オオクワガタ(佐賀県神崎産 メス:45mm)

大歯・中歯・小歯

オスは体の大きさにより、大顎の形状が異なる3種類に分類できる。これは他のクワガタにもみられる特徴といえる。※写真が用意出来次第追加します。

●大歯型
●中歯型
●小歯型

オオクワガタの分布と主な産地

分布域は北海道(西南部)から本州、四国、九州のほぼ日本全土。離島では対馬のみ生息例が確認されている。これは朝鮮半島での生息と合わせ、日本列島が大陸の一部であった頃に分布域を拡大した経路上であったことが理由のようだ。

国内では以下の地域が多産地として知られている。

・福島県南会津郡檜枝岐村周辺
・山梨県韮崎市、北杜市周辺
・愛知県稲沢市祖父江町等木曽川流域
・京都府亀岡市周辺、大阪府北部一帯、兵庫県川西市周辺
・福岡県久留米市、佐賀県神崎郡等の筑後川流域

この他にも、青森県・秋田県の十和田湖周辺や田沢湖周辺、岡山県吉井川流域等が著名な産地である。原生林以外での生息域は限定的で、条件を満たす環境下で局所的に生息しているに過ぎない。幼虫の生育に必要な発生木と成虫の生息木があれば民家の敷地等でも採集例はあるようだ。夜行性で警戒心が強く、なかなか発見に至らないが、思わぬところに生息している可能性はある。

なお、近年ではマナーやモラル、常識のない採集者が増え、地権者・地元住民との間でトラブルが多発している。騒音・ゴミの始末等をはじめ、発生木そのものを破壊する材割採集もエスカレートする一方のようだ。オオクワガタの生息環境を残していくためにも、大人として良識ある行動をとっていただきたい。

オオクワガタの生態と習性

オオクワガタの成虫の生態と習性

オオクワガタの成虫の活動時期は5月から9月位。クヌギをはじめ、ナラ類、カシ類、ニレ類等のブナ科、河川敷等のヤナギ類の樹木につく。樹液が出て身を隠せる樹洞や樹皮の裂け目のある大木を好み、特に台場クヌギと呼ばれる刈敷(若芽・小枝等を田畑にまいて肥料にすること)や炭、シイタケ等のホダ木を得るためのクヌギ林での生息例が多い。

台場クヌギ

台場クヌギ

オオクワガタは基本的に夜行性。体躯に似合わず、音や光、振動等に対する警戒心は非常に高く、危険を察知するとすぐに洞や樹皮等の隙間に逃げ込む。

オスは樹洞を中心としたテリトリー(縄張り)を持ち、一度気に入った場所を確保すると長期にわたって生活拠点とするようである。メスとペアでいることも多く、越冬時にもペアで過ごす個体もいるようだ。交尾を終えたメスはカワラタケやニクウスバタケの発生した立ち枯れや倒木等に産卵抗を掘って産卵する。

オオクワガタの寿命は長く、自然界でも羽化後2-4年程度、飼育下では4-5年生きることもある。

オオクワガタの幼虫・蛹の生態と習性

メスによって朽ち木に産み付けられた卵は2-3週間程度で孵化し初令幼虫となる。幼虫は産み付けられた朽ち木を食べて2令、3令へと成長する。

成熟した3令幼虫は、朽ち木内で糞や分泌した体液で側壁を硬化させた蛹室を作り、2-3週間の前蛹期間の後、蛹となる。蛹化後間もない蛹は白乳色だが、2-3日でオレンジ色がかった状態になる。その後1ヶ月程で体組織が形成されてくると顎や手足が黒褐色となり、その形状も目視出来るようになる。足が動き始めれば羽化までもうすぐだ。普通は2-3日もあれば羽化が始まる。

羽化では、外皮を脱ぎ去ること自体は1-2時間程度であるが、上翅と内翅が伸び、顎と頭部が起き上がるには1日程度の時間を要する。羽化直後のアメ色の外皮は10日-2週間程度で黒色に硬化し、完全な成虫となる。

一般に、オスに比べメスの方が成長速度が速い。幼虫である期間も、前蛹や蛹の期間もオスの7、8割程度である。

なお、幼虫の期間(孵化から蛹になるまで)は温度や栄養状態他の外的要因に大きく左右される。飼育下である程度の温度が維持できる場合は、1年程度で成虫になる(1年1化型などという)が、自然界では2年以上の期間が必要なことも少なくない。

オオクワガタを手に入れる

実際にオオクワガタを入手するには購入(あるいは譲受)か採集ということになる。最も手軽で確実なのは購入だ。近年では専門店やペットショップはもちろん、ホームセンターでも販売されているし、ネットオークション等でも多くの個体が販売されている。少し調べればサイズ・カタチ・産地まで概ね希望する個体を得ることができる。

■オオクワガタの購入にあたって留意しておくべきこと
■ショップ選び

採集は現実的に考えるとハードルが高く、運も必要だ。夜間における山間部での行動は危険も伴うし、採集地までの移動コストも馬鹿にできない。ある程度の情報収集や経験を積んでから、次の楽しみのステップといえるだろう。私は本格的な採集活動をしていないこともあり、1980年代に長野県北部にて偶然、ホテルの照明に飛来したメスを採集したのみだ。

■オオクワガタの採集にあたって留意しておくべきこと

オオクワガタの飼育方法

手に入れたオオクワガタ。眺めているのもいいが、やはり最低限の飼育環境は用意してやろう。オオクワガタはかなり丈夫なクワガタだ。粗悪な環境にさえしなければ成虫・幼虫ともに簡単に死んでしまうことは少ない。

オオクワガタの成虫の飼育

まずは、成虫の飼育方法。クワガタの飼育はオオクワガタに限らず個別飼育が原則だ。オスとメスを同居させるのは基本的にペアリング(交尾)をさせるときだけと考えておこう。種類やペアの相性によってはペアの同居飼育や多頭飼育が可能な場合もある。

なお、オオクワガタは耐寒能力は高いが、暑さには弱い。飼育時の温度管理は特に高温(30℃以上)に注意しよう。最近の夏は簡単に30℃以上になるので、ケースの置き場所には配慮が必要だ。場合によってはエアコンを利用し、25℃前後での飼育が望ましい。

湿度も適せん、霧吹き等で補てんする。補水のインターバルは環境によって異なるが、マットがさらさらとしてきたら一つの目安だ。

用意するもの

用意するのは次のようなものだ。最近はこれらを「飼育キット」としてセット販売している。価格も割安になっていることが多いので、利用するのもいいだろう。

・飼育ケース:オス用の20cm程度のものとメス用の15cm程度のもの
・成虫飼育用マット:各社で販売されている成虫飼育用のもの。5LもあればOK。
・エサ皿:16gか18gワイドのものが入ればいい。
・止まり木、隠れ家等:ストレス軽減・転倒防止効果もあるので必ず。
・昆虫ゼリー:各社で販売されている、16gか18gワイドのもの。タンパク質強化のものも要る。
・その他作業道具:霧吹き、スコップ、スプーン等。

オオクワガタ成虫飼育セット関連記事

オオクワガタの成虫用飼育セットを組んでみよう。
オオクワガタの成虫用の飼育セットを組んでみよう。特に拘りがないのであれば、あっけないほど簡単だ。ヒラタクワガタやコクワガタの成虫飼育にも基本的に同じものを使用できる。 止まり木等のアクセサリーは産卵木を流用できるが、オオクワガタをはじ...

以下、執筆・準備中。
■オオクワガタの成虫飼育にあたって留意しておくべきこと。
■オススメ・定番のオオクワガタ飼育ケース
■オススメ・定番のオオクワガタ成虫用飼育マット
■オオクワガタの寿命を延ばす・産卵数増加にはプロゼリー
■オオクワガタ飼育であると便利な道具

オオクワガタ飼育参考情報

穴があったら入りたい!オオクワガタには必須の隠れ家
生態でも述べたが、オオクワガタをはじめとするドルクス類は自然環境下では樹洞や樹皮の捲れ等に潜むことを好む。可能であれば、飼育環境下でも同様の隠れ家を用意することが望ましいと私は考えている。 安心して身を隠せる環境があるということは、オ...
オオクワガタは肉食女子が当たり前。
タイトルをご覧になって、何となく記事の内容がイメージできた方は、ある程度、クワガタ飼育の場数を踏んで来られた方と思う。 結論から言うと、オオクワガタのメスは、産卵のために多くのタンパク質やエネルギーを必要とし、自然界でも飼育環境下でも...

オオクワガタの幼虫の飼育

成虫同様に、最近では幼虫の購入も可能になっている。エサ代や手間もかかることから成虫よりもリーズナブル。大型血統のものや各種産地のものがプリンカップや菌糸ビンに投入されて販売されている。

用意するもの


■オススメ・定番の菌糸ビン
■コスト削減!菌糸ブロックで菌糸ビンを作ってみよう。
■オススメ・定番の幼虫用飼育マット
■あると便利な飼育道具

産卵・繁殖させてみよう。産卵セットを組んでみる。

オオクワガタはかなり丈夫なクワガタだ。粗悪な環境にさえしなければ成虫・幼虫ともに簡単に死んでしまうことは少ない。

用意するもの

オオクワガタ繁殖関連記事

オオクワガタの産卵セットの割り出しと菌糸ビン投入1
6月上旬にセットしたオオクワガタの産卵セットの一つを割り出してみた。 セットしてから約1ヶ月半。こちらも1日1個の産卵ペースで、大体20-30の幼虫と卵を回収することを想定して、メスは1ヶ月程度で本来の飼育セットに移している。 ...
オオクワガタの産卵セットの割り出しと菌糸ビン投入2
続いて2つ目のオオクワガタの産卵セットを割り出し。最大個体である#11 79mmのオスと51mmのメスのセットだ。 1つ目の産卵セットから3日遅れでセットしたので、こちらも約1ヶ月半。1日1個の産卵ペースなら、大体20-30の幼虫と卵...
オオクワガタの菌糸ビン交換1
オオクワガタの菌糸ビン交換の1回目。まずは菌糸ビンの用意だ。G-ブロック丸を詰めようか、新規で購入しようか迷っていたところ、タイミング良くフォーテックさんの20%OFFクーポンセールがあったので早速、利用。まずはG-pot1200を18本、...

■オススメ・定番の菌糸ビン
■コスト削減!菌糸ブロックで菌糸ビンを作ってみよう。
■オススメ・定番の幼虫用飼育マット
■あると便利な飼育道具

参考 Wikipedia オオクワガタ

更新履歴

2016-07-01:オオクワガタの分布と主な産地の項に一部追記、オオクワガタの成虫の生態と習性の項を一部修正。
2016-07-31:オオクワガタの産卵セットの割り出しをリンク。

コメント

  1. […] 出典:オオクワガタを飼おう! […]

スポンサーリンク
Amazonオススメ商品(広告)

楽天オススメ商品(広告)
スポンサーリンク