クワガタ採集のマナーとルール

クヌギの樹液につくノコギリクワガタ クワガタ雑記帳
クヌギの樹液につくノコギリクワガタ

そろそろクワガタ採集シーズンになろうとしている。改めて採集について考えてみたい。

クワガタをはじめ昆虫飼育の楽しみの一つが採集であることに異論はない。やはり自己採集した個体の飼育は購入したものとは思い入れも全く違うものになるのは間違いないだろう。

問題は採集時のマナーやルールをどのくらい順守できるかということだ。思うところを少し書いてみた。

あなたは根こそぎコレクター?

夜間、クヌギの樹液に集まるカブトムシとコクワガタ

夜間、クヌギの樹液に集まるカブトムシとコクワガタ

私の周りにも採集に異様なまでの執念を燃やす人が少数ながらいる。彼らと採集に行くといつも釈然としないものが残る。大体、以下のようなものだ。

  • ポイントらしきところには所構わず、猛然と突き進む。
  • 見つけた個体はとにかく採る。
  • 次回や将来より、今が大事。
  • 周辺環境の保護などは深く考えない。
  • 目的のためならリスクや手段はあまり問わない。

常識的な方であれば、どれも問題を起こしそうな要因になるものだとお分かりいただけるだろう。

プライオリティをどこに置くかの問題ではあるのだが、彼らのそれは「採集したという実績」と「それを顕示すること」に尽きるようだ。不要な個体やメスはリリースすべきと諭しても、強固に全頭お持ち帰りと主張する人もいる。

私と同じような考えの知人は、彼らを「(根こそぎ)コレクター」と呼んでいる。好きだから飼う、ではなく、所有すること自体が目的で、ファンや愛好家とはちょっと異質の存在と思えるそうだ。

近年、問題になっている採集圧や地元とのトラブル、マナーの悪化には、業者の介入だけではなくこの手の人たちの暗躍も大きな原因になっているのは想像に難くない。

採集は地権者の同意や地元との共存が大前提

水路の確保をする、長野でビオトープを作っていた老人とお孫さん

水路の確保をする、長野でビオトープを作っていた老人とお孫さん

採集は可能なら地権者の同意の上で、周辺に迷惑をかけない範囲で行おう。

公営林を除けば、山林や雑木林にも当然、所有者である地権者がいる。土地もそこに生えている樹木(植物)も地権者の所有物とみなされるのが一般的だ。

生息する昆虫や動物等は無主物で最初に占有した人のものとされるが、採集時に樹木や施設を傷つける場合(当然、材割採集も)は器物損壊にあたる。

住居でなければ誰もが出入りできる山林等は原則的に刑事罰の対象にならないらしい。しかし、無断で自分の土地に入り込まれ、好き放題されれば気分のいい人はいるまい。法律以前の話として、少しは相手の立場になって考えてみることだ。

また、オオクワガタ等の採集は、多くの場合、夜間だろう。車の止め方、ヘッドライト、エンジン等の騒音他、話声も周辺住民の迷惑になりかねない。

とにかく、地元の人とのコミュニケーションを取ることだ。いい採集ポイントを教えてくれたり、地権者を紹介してくれたりすることも少なくない。

ゲンゴロウを採集していた時のことだが、茨城では祖母位の方とその息子さんに挨拶すると採集に協力してくれた。長野では休耕田でビオトープをしている老人と話ができ、盛り上がった。帰りには野菜もいただいた・・・気持ちのいい思い出である。

親の行動は子供にも伝わる

数時間前に掘られたと思われるクヌギの根元。少し、戻しておいたが啓蒙すべき採集時のマナーだと思う。

数時間前に掘られたと思われるクヌギの根元。少し、戻しておいたが啓蒙すべき採集時のマナーだと思う。

クワガタの採集・飼育には、子供の情操教育の側面がある。幼い頃から、自然環境や生き物に触れる機会はやはり重要だ。

親子連れの採集者も良く見かけるし、微笑ましい光景でもあるが、今30代位の世代は「ゆとり教育」の影響もあり、幼少期に自然と接するような教育を受けていないことが多い。親がマナーやルール無視で採集に固執しているようでは、子供もそれが当然のように思ってしまうこともあるだろう。情操教育どころの話ではない。

明るい要素もある。最近は教育指針も元に戻りつつあるので、若い世代の方が常識的のようだ。この間も子供が親にマナーやルールを説いている場面が見られた。失笑しそうだったが心強い限りだ。

せっかく生き物に興味を持ち、親子の対話の時間まで作れているのだから、良い思い出を作ってもらいたいと思う。必要以上採らない、枝は折らない、樹皮は剥がさない、根元を掘ったら復元する、地元の人への配慮も忘れない。こういうことも伝えていってほしいものだ。

材割採集は最終手段と考えるべし

とある施設で廃棄されていたヤナギの伐採材。立ち枯れのものもいくつかある。上手く敷地内に置いてくれればクワガタやカブトの発生源になっただろう。

とある施設で廃棄されていたヤナギの伐採材。立ち枯れのものもいくつかある。上手く敷地内に置いてくれればクワガタやカブトの発生源になっただろう。

クワガタの採集方法の一つとして定着した感のある「材割採集」。各方面で賛否両論がある採集方法だ。私は基本的にはしないことにしている。

やはり環境破壊にほかならないし、生息環境も個体数も減退させてしまうからだ。それに、自分が地権者として所有する雑木林でこのようなことを勝手にされたら、やはり腹立たしいと思う。

私が「材割採集」をするのは以下のような対象となる材の所有権が実質的に得られる時だ。最終手段とは材割採集そのものが目的ではなく、発生木や生息する個体が滅失するのを回避するためと考えてもらいたい。

  • 開発・工事等により生息域が滅失する場合で地権者等から材の処分許可が得られる場合
  • その他、伐採済みの材等について所有者が処分を希望する場合

上の写真は、昨年、北杜市のとある施設の片隅に置かれていたヤナギと思しき廃材だ。処分予定だそうで、こういうものを譲り受けての材割採集は「アリ」だろう。地方のシイタケ農家などでは古いホダ木の処分に困っているところもある。焼却処分することもあるそうなので、スペースに余裕のある方は相談してみるのもいいだろう。

私自身は過去に親戚筋の近隣で伐採・放置されていた処分前のカシ材を数本もらったことがある。祖父の雑木林の脇に移設し、1本は少し割り出ししてみた。おそらく100頭程度のクワガタやカブトムシの救済にはなったと思う。

配慮するのは採集者側

採集者の多くは「自身で採集環境を用意できない」という人だ。つまり、クワガタ等が採集・生息できる環境は、採集地に暮らす人々が支えている。

配慮すべきは採集する側なのだ。私たち採集者の配慮一つで誰もが笑って帰れる採集になるかが決まる。

今年は誰もが今一歩、周囲に配慮した採集を意識してもらえると幸いだ。

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