タガメの特徴・生態や飼育・繁殖方法についてまとめてみた。タガメの飼育方法や繁殖方法についても既に数多く紹介されているが、私なりの飼育方法や繁殖方法、飼育していくうえで気付いたことなどを盛り込んでいる。タガメ飼育の参考になれば幸いである。
タガメはカブトムシ級のサイズ、独特なスタイル、迫力の鎌型前足、ダイナミックな捕食行動で人気も高い水生昆虫の王様だ。飼育には成虫・幼虫共に活餌が必要で、入門向けとは言わないが、成虫は肉食魚を飼う気いれば比較的容易に飼育でき、産卵させるのも難しくはない。
産卵させられれば、タガメ特有であるオスの卵塊保護行動や百匹前後の幼虫の一斉孵化等、飼育・観察の見所・魅力も増すが、大量に孵化する幼虫飼育はかなり手間がかかる。
タガメの概要
タガメ(学名:Lethocerus deyrollei)はカメムシ目・コオイムシ科に属する日本最大の水生昆虫にして日本最大のカメムシである。トンボやセミと同様に蛹の形態をとらない、不完全変態型の昆虫だ。
タガメの前足は先端がかぎ爪になった大きな鎌状で、これにより小魚やカエル、他の昆虫等を捕える。その力は強く、時にはヘビやカメ等、自分より大きな獲物でも押さえつけ、捕食することがある。獲物を捕らえると針状の口からさらに細い針状の管を出して獲物の体内に麻酔・消化液を注入する。これにより相手の体組織を体外消化して吸引する肉食性である。寿命は2-3年程度と思われ、成虫が上陸して生息域周辺の落ち葉の下や浅い土中で越冬する。(水中越冬をすることもある)
ゲンゴロウとともに水生昆虫の人気種であり、かつては水田や堀上、水路などで普通に見られたが、農薬の使用(タガメは化学物質に弱い)や乾田化・護岸化等により、生息数は著しく減少した。環境省レッドリストでは絶滅危惧II類(VU)に分類されるが自治体によっては絶滅種あるいは絶滅危惧I類としているところも多い。
タガメの形態的特徴
タガメの大きさは、成虫でオス:約50-65mm、メス:約55-70mm。もう少し大きなものや小さなものの採集例はあるようだが、概ねこの範囲だろう。
体色は茶褐色あるいは暗褐色。外観は平べったい木の葉状で、先端がかぎ爪になった大きな鎌状の前足が特徴だ。外国産の近縁種に比べ体長に対する前足のサイズが大きく、これが国産タガメの迫力を増す視覚的要因であり特徴であると思う。
中・後足には遊泳用の毛が生えており、ゲンゴロウほどではないが、まずまずの速度で泳ぐことができる。腹部先端には呼吸器官があり、その管を水面に出して呼吸する。
タガメの幼虫は黄緑色が強い茶褐色で、初令幼虫は黒の縞模様を持つ。不完全変態型の昆虫なので幼虫の外観も成虫に似ている。多少ずんぐりした上翅のないタガメといったところだ。
タガメのオス・メスの判別基準としては、一般的にメスの方が大柄であることと腹後部の亜生殖板の形状が異なること等が挙げられる。
タガメの分布と主な産地
タガメの生息分布域は北海道(何例か採集例はあるようだ)を除く本州、四国、九州のほぼ日本全土。ほぼ日本全土とはなっているが、ゲンゴロウ同様、都市近郊では壊滅的である。
福島・茨城・栃木といった南東北から北関東の採集例が多く、紀伊半島・近畿圏や西日本でも局所的に生息している。経験的にゲンゴロウに比べると生息域が南方系と思われる。
タガメは水田や水路、堀上といった、カエルやドジョウ、ヤゴ等のエサが豊富な止水域を好むので、最近では山間部の休耕田や無農薬栽培を行っている水田周辺等に見られるようだ。中には絶滅したとみられていた地域での再発見例も出てきている。
日本以外では朝鮮半島、台湾、中国に分布する。
タガメの生態と習性
タガメの日常の生態と習性
タガメは幼虫から成虫に至るまで、越冬時を除いては完全な水中生活である。エサとなるカエル、ドジョウ等の小魚、ヤゴ等の水生昆虫が豊富で、水が汚染されていない水田や休耕田、周辺の掘、堀上や水路、ため池等の止水域に生息する。成虫は飛翔も可能で集光性もあるので、街灯や建物の照明にも飛来することがある。
タガメが生息できる環境はゲンゴロウ類や他の水生昆虫にとっても比較的良好な生息環境であるので、多くの水生昆虫が共存していることも珍しくはない。大抵は水生植物も豊富で、水上性のアシ、ガマ、クワイ、セリ、オモダカ等をはじめ、完全水中性の水草も多く見られる。
タガメの活動期は5月頃から10月頃。冬眠は成虫が上陸して生息域周辺の落ち葉の下や浅い土中で越冬するものが多いようだが、水中でじっとしている個体もいるようだ。
また、タガメの成虫は水草の茎や木の枝等に掴まり、水上に出て甲羅干しのような行動をとる。明確な理由は定かではないが、私はゲンゴロウ類と同様の不完全菌類の殺菌効果と体の各部のメンテナンスのためではないかと考えている。
タガメは完全な生体捕食の肉食性である。エサとなるのはカエルやドジョウ等の小魚、他の水生昆虫、水面に落ちた昆虫等が主なものであるが、時には自分より大きなヘビ、トカゲ、カメやネズミ等小型の哺乳類までも襲って捕食する姿が観察されている。
タガメのエサの捕らえ方はほぼ待ち伏せ型で、鎌状の前足を大きく広げ、獲物が前を通り過ぎようとすると、飛び掛かり、前足で強力に抑え込む。大型の獲物の場合は中足と後足も使い、しがみ付くこともしばしばだ。
獲物を捕らえると、針のような口からさらに細長い管(3cm位はある)ようなものを獲物の体内に差し込み、麻酔液と消化液を送り込んで、体組織を体外消化して吸引する。獲物が動かなくなると、前述の管を獲物の各部に「差し込んでは吸引」を繰り返すので、タガメに捕食された後のカエルや小魚はほぼ、骨と皮の状態になってしまう。
なお、タガメの麻酔液と消化液は強力なもので、10cm程度のカエルや魚等は十数秒もするとほとんど動かなくなる。人間でも不用意に手で掴み、刺されると激痛を伴って、体組織が壊死したりすることもあるので注意が必要だ。幼虫でも油断してはならない。
タガメの繁殖行動
タガメの繁殖活動は6月頃から8月頃にかけて。オスは日没後、交尾の足場となる植物の茎や杭等で小刻みに腹を水面に打ち付ける求愛行動をとる。メスが近づいてきて気に入ると、交尾が始まる。交尾はドルクス系のクワガタやセミ類と同じようなV字型だ。このとき既にメスは体内に卵を持ち、腹部が大きく膨らんでいて、交尾後にすぐ産卵に至ることが多い。
産卵はガマやアシ等の植物の茎、杭や水没した木の枝等の水上10-15cm程度のところに、60-100個程度の卵塊を産み付ける。飼育時には写真のような木の枝を剣山や固定プレートで転倒防止策を施したものを数本用意しておくといいだろう。
なお、この頃のメスは食欲が旺盛で、エサを頻繁に与えないとオスも捕食対象になってしまう。交尾・産卵直後に襲われてしまうこともあるようだ。加えて、別のメスが卵塊を破壊することもあるので、産卵後はメスを個別飼育した方が賢明だ。
オスは産卵された卵塊を外敵から保護し、乾燥しないよう補水も行う。孵化するまでの間はほぼエサを食べることなく、献身的に卵塊の世話を行うことも知られている。
オスによって保護された卵塊は、数日で膨らみはじめ、10日程度で孵化する。最初の1匹が孵化すると残りがほぼ一斉に孵化する。ある人は「タガメの華」と称していたが、不思議かつ見事であり、タガメ飼育の見所ともいえるだろう。
孵化した初令幼虫は小型の水生昆虫等を捕食して成長する。時には自分の倍はあるメダカにも襲いかかる。大型の獲物の場合は、複数の個体が群がることもある。
初令幼虫はある程度成長すると水中で脱皮して加令し、5令幼虫までのプロセスを経て成虫になる。外気温にもよるが孵化から成虫までに概ね40-50日を要する。
タガメの飼育と繁殖
タガメの飼育には成虫・幼虫共に活餌が必要で、入門向けとは言わないが、成虫は肉食魚を飼う気いれば比較的容易に飼育でき、産卵させるのも難しくはない。
ただし、産卵、孵化させるということは、同時に100匹前後の幼虫飼育が始まるということだ。基本、個別飼育となるし、エサの確保はもちろん、ゲンゴロウ以上に水が汚れるのでほぼ毎日の水替えが必要等々、幼虫飼育は相当な手間がかかる。正直、約2ヶ月の間、毎日観察・面倒を見ることができるという人以外はあまりオススメしない。
ちなみに私は2回の累代で懲りた・・・。個別飼育が50、4-5匹まとめてが12セットで、最終的に成虫に羽化できたのは12匹。共食いは20匹に満たなかったと思うが、思いの外、溺死・脱皮不全が多かった。糞により水面にかなりの油が浮くので、呼吸不全を引き起こしたと思われるものもあった。
この時の飼育経験や感じたことを含めて、飼育時のコツ等をご紹介する。あくまでも飼育の一例としてとらえていただきたい。
タガメの成虫の飼育
用意するもの
・水槽
1ペアのタガメの飼育なら30cm程度のものでも何とかなる。というのもゲンゴロウに比べ捕食も待ち伏せが基本で泳ぎ回ることは少ないからだ。もちろん大きいに越したことはない。水も汚れるので大きい水槽は水質の急激な悪化も回避できる。小型水槽の場合には、甲羅干しや産卵のための水上空間(15cm程度)を必要とするので、高さのあるものを用意したい。
・敷き砂
無ければダメ、ということはないが、ゲンゴロウ同様に市販されているソイルと珪砂を使う。まず、珪砂を全体的に底面に、その上からソイルを立体的(前方を薄く、後方を厚く)敷いていく。水草を植える場合には厚みは70mm以上あった方がいい。ウチでは珪砂だけの場合もあるが、その場合には黒土・けと土・荒木田土・腐葉土(これらは無論、無農薬なもの)等をひとつかみ程入れている。たまにカキ殻を少々。
・流木等の止まり木
タガメは甲羅干しの習性があること、水上の草の茎や杭等に産卵するので、水から上がれる環境は用意しよう。流木はアク抜きをして固定板をネジ止めしてから設置すると安定する。また、水上から15cm程度の高さを確保できる木の枝を1,2本、剣山等で安定させて入れるといい。これらは産卵場所や捕食行動時の足場にもなる。
・水草と水生植物
見た目のアクセントと足場として入れておきたい。ウチでは浮上性のものとしてサンショウモ、浮遊性のものとしてマツモ、あとはアナカリスを少し入れている。
・フィルター
一般にセット販売されている外部フィルター(外掛け式)でも問題ないが、甲羅干しや産卵行動のために水位を低めにする必要もあるので、ウチでは水作の水中パワーフィルターを愛用している。横置きにして水をガラス面に当てるようにすると水流を抑えられる。
・蛍光灯
水草を入れるならばその育成のためにも20W(100W相当)クラスがいい。ウチでは家庭用のクリップライトも使っている。
餌(エサ)
タガメは肉食故に過剰にエサを与えると水質悪化の要因になるし、少なければ共食いが起こる。どのくらい食べるのかを観察しながら与える量を調整しよう。食べ残しはすぐに撤去すること。
・生餌
カエルや小魚、ザリガニや他の水生昆虫・陸生の昆虫等、比較的何でもよく食べる。本来ならば、生息地にいるこれらのものが確保できると理想的だ。無理ならばエサ金(小赤)やメダカ、ドジョウを主にコオロギ等の昆虫を加えた数種類のものを与える。
なお、タガメは薬物に弱いので、このあたりへの配慮は重要だ。一見、問題ないように見えても弱らせてしまうことも多々ある。採集した活餌の残留農薬はもちろん、観賞魚用の活餌では薬浴をしているものもあるので、暫く飼育したものを与えた方が無難と言える。
蛇足だが、ウチにいた個体はダルマガエルとマドジョウが好みだった。トノサマバッタやショウリョウバッタも食いが良かった。メダカやクチボソ、タナゴ類は相応に食べ、ホトケドジョウやヨシノボリ、カワムツ等はあまり率先しては捕食しなかった。
注意事項
・同居させるタイミング
タガメの繁殖を目的としているなら、オス・メスの同居飼育になるわけだが、安易に両方入れるとどちらかが捕食されかねない。起きるときは瞬殺だ。私はメスをまず入れてからエサを与え、捕食中にオスを入れた。起きる可能性のあることは考慮しておいた方がいい。
・産卵後・孵化後の対応
産卵後はまず、メスとオス(と卵塊)を個別飼育する。産卵前後のメスは食欲旺盛なのでオスが危険になる。どちらを取り分けるかは難しいところだが、オス(と卵塊)を別容器にした方がいいかもしれない。私はメスを別容器に隔離したので、本来の飼育セットで孵化させてしまい、幼虫を全部取り出すのが大変だった。
・冬眠の対応
常温でタガメを飼育をしていると、10月下旬位、水温が15度前後になってくるとエサの食いも悪くなってくる。冬眠床を用意しよう。大きめのプラケースやコンテナに腐葉土や黒土、ミズゴケやピートモス等を混合して適せん加水する。ウチではこれを40cm位のコンテナに15cm程度敷き詰めて5-6匹単位で成虫を放り込んでベランダに放置した。途中、水分補給は数回行ったが、9割以上の確率で越冬は成功している。
なお、タガメは室内で加温飼育するなら、そのままでも飼育できるが、クワガタ同様に越冬させた方が翌年の産卵等を考えると健全といえるかもしれない。
タガメの幼虫の飼育
タガメの初令幼虫は共食いのリスクはあるが、ある程度の多頭飼育が可能だ。実際、一匹が獲物を捕らえる(捕獲行動をとる)と、複数の個体が同じ獲物に対して捕獲行動をとる。メダカ等は5匹程度の初令幼虫が取り付くこともある。幼虫のサイズとエサのサイズを考えると、このぐらいがちょうどよいのかもしれない。2令か3令幼虫以降はやはり単独の個別飼育がよさそうだ。
用意するもの
・プリンカップやタッパー、ルアーケース等の容器
はじめは400ml級のプリンカップや釣具店等で入手できるルアーケース(仕切りが可変できるものが便利)を用意しよう。5匹単位でまとめても20グループぐらいになるが、ある程度の広さは必要だ。新品を使う場合には軽く中性洗剤等で洗い、剥離剤を落としておく。
2令、3令に加齢したら200ml級のプリンカップを用意してに小分けするか、ルアーケースの仕切りを細かくする、1区画に入れる個体数を減らすなど工夫しよう。個体数が多ければ容器を増やすことになる。5令(終齢)幼虫では、羽化も考慮すると15cm程度のプラケースが要るだろう。私は12個買った・・・。
とにかく、数が数なので置き場所や最終的な容器代もバカにはできない。これでなければいけない、ということはないので100均ショップ等でタッパーやフードコンテナを流用するのも賢い方法だ。
・敷き砂
ウチでは黒土・けと土・荒木田土・腐葉土(これらは無論、無農薬なもの)等をほんの少し入れている。たまにカキ殻を少々。
・水草と水生植物
足場として入れておきたい。ウチでは浮上性のものとしてサンショウモ、浮遊性のものとしてマツモ、あとはアナカリス等を入れている。広葉樹の小枝等(4令位ならこの方が安定する)でも可。
・フィルターや蛍光灯、その他
私は幼虫飼育ではフィルターを使わなかったが、4令、5令になると水の汚れはかなりのものになるので、大型水槽等で複数飼育(オススメはしないが)する場合等はあった方がいいだろう。蛍光灯もなくてもいいが、ウチでは家庭用のクリップライト20W(100W相当)クラスも使った。
餌(エサ)
・活餌
ゲンゴロウの幼虫飼育と大きく変わらない。タガメも基本的に活餌しか食べないと考えていた方がいい。ミズムシ、小型のヤゴ、メダカやドジョウ等の小魚、カエルやオタマジャクシ等をサイズに合わせて与えよう。入手性を考えるとコオロギとメダカが現実的だ。4令、5令なら小赤でも大丈夫。2令以降はメダカや小赤等も与えるといい。もちろん、無農薬のヤゴや小魚、カエル等が確保できるならなお可である。
1日で、概ね幼虫自身の体重とと同じ程度のエサが必要なようだ。初令ならコオロギのSサイズ1匹ぐらいか。
冷凍アカムシや釣り餌のアカムシ、ミルワームは昆虫用の成長抑止ホルモン等を与えられている場合があるので、緊急用程度に考えておこう。幼虫では脱皮不全、蛹化不全を起こしやすいと思われる。また、採集した活餌の残留農薬はもちろん、メダカや小赤といった観賞魚用の活餌は薬浴をしているものもあるので、暫く飼育したものを与えた方が無難と言える。すぐには死なないかもしれないが、累積的なダメージは無視できないと思う。
具体的な飼育
タガメの幼虫はプリンカップ等の容器に中和した水(温度差に注意)を入れ、足場になる水草も適せん入れて飼育する。ウチではミネラルの補充の意味で前述の黒土・けと土・荒木田土等もほんの少し入れている。温度は20-25度程度でいいだろう。
エサは基本、毎日だ。常時見ていられなければ、朝と夜にする。タガメの幼虫は黒い液体状の糞を多量にする(容器外に飛ばそうとする)ので、表面に油分が浮いてくるようなら呼吸困難にならないよう水替え等も頻繁(可能ならほぼ毎日)に行うこと。食べ残し等の撤去は成虫以上に留意する。
加令の脱皮の兆候としては、体がパンパンに膨れ上がる。脱皮直後は共食いをしやすいので、可能なら、脱皮前に別容器に小分けするといい。
加令の都度、同居させる個体数を減らしながら、正直なところ、後はこの繰り返しだ。
注意事項
・脱皮不全と溺死
タガメの幼虫は体がパンパンに膨れ上がっても1-2日で脱皮しない場合は大体、そのまま固まって溺死する。ウチの場合、アカムシとミルワームを少し与えてしまったので昆虫用の脱皮抑制(成長抑制)ホルモンの影響も拭いきれない。正直、他の原因とは考えにくい。加齢の都度、15-20頭づつがこんな感じでやられていった。たとえ1回でも、アタリを引いてしまうとタガメの幼虫の成長に影響する濃度に達してしまう可能性はある。コオロギも安全かどうかは微妙なところだ。
・糞はすぐに拭き取ろう
タガメの幼虫は黒い液体状の糞を多量にする。特に容器外にも飛ばそうとするので、容器にカバーをしていないと周辺がかなり汚れる。加えて、肉食故にニオイもキツイし、乾燥後に拭いても落ちにくいのだ。見つけたらすぐにティッシュ等で拭き取ろう。容器の上にキッチンペーパー等を軽く被せるのも効果的だ。
私とタガメ
私にとってタガメは幼少の頃、どうしても採集・飼育してみたい昆虫の筆頭だった。
古い話で恐縮だが、昭和40年代前半には、私の住む千葉県北西部でもタイコウチ、コオイムシは結構いて、かなりレアなミズカマキリ(房総丘陵には結構いる)までは見つけることができた。残念ながら、子供の活動範囲ではタガメの生息域を確認することまでは出来なかった。
時期を同じくして、東北地方北部在住時には、水田、水路と溜まりでゲンゴロウの採集が叶ったが、カメムシ系はミズカマキリとコオイムシばかりだった。ゲンゴロウが生息可能なところならタガメが生息していても不思議はない。実際、茨城・栃木・福島等ではほぼ同じ場所に生息していることも多い。しかるにタガメの実質的な生息北限を超えていたようにも思う。
さて、暫く昆虫から離れていたので、初めてのタガメとの遭遇はそれから30年以上が経過してからだった。
2005年の大阪在住時にちょっとした思い立ちで、北部のオオクワガタ著名産地へ灯火採集に行った。その帰りのコンビニで休憩中、大型のタガメが飛来してしばらくすると私のクルマのすぐ後ろに落ちた。それが上の個体である。
その後、タガメは茨城県北部の休耕田と栃木県北東部の掘でも複数の個体を確認することができた。千葉県でも房総丘陵などで再発見(放虫の可能性はあるが)されているそうだ。いるところにはまだいる。
絶滅危惧種であることに変わりはないが、ゲンゴロウよりはタガメの未来は明るそうだ。
最後に
タガメの飼育、特に幼虫の飼育は「根気と根性」の一言に尽きる。天然のエサを確保できなければエサ代もかさむし、クワガタのように飼育容器の重ね置きも難しいので置き場所も一苦労させられる。それでも一度はタガメ飼育にチャレンジしてみたいという方の参考になれば幸いだ。
更新履歴
2016-06-13:タガメの飼育方法を追記
2016-07-31:文章表現を一部加筆修正。
●各種昆虫マット
●各種昆虫ゼリー
●各種飼育ケース
●各種アクセサリー
●クワガタ・カブト生体
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